地域連携推進センター

マイスター倶楽部

岐阜経済大学 まちなか共同研究室 「マイスター倶楽部」

「マイスター倶楽部」と聞いて、「趣味のサークルや大学の部活動かな?」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
マイスター倶楽部とは、大垣商工会議所の「空き店舗対策モデル事業」として、1998年10月にスタートした「まちなか共同研究室」です。開設にあたっては、大垣駅前商店街振興組合、大垣地域産業情報研究協議会(大垣市と大垣商工会議所が共同で運営する調査研究組織)、岐阜経済大学の3者が連携して設置し、地域社会を舞台にして学生が研究・実践活動に取り組むための研究室でした。
この後、2006年2月には、大垣市、大垣商工会議所、大垣市商店街振興組合連合会、岐阜経済大学の4者により「中心市街地活性化のための4者協定」が締結されました。現在もこの体制を取りながら、中心市街地活性化のため、4者が連携・協力し、学生によるまちづくりプロジェクトを推進しています。

まちなか共同研究室マイスター倶楽部の概要

場所 岐阜県大垣市東外側町2-6 広瀬第一ビル1階【大垣駅前商店街内】
設立時期 1998年10月
運営体制 大垣市、大垣商工会議所、大垣市商店街振興組合連合会、岐阜経済大学の4者
事業運営代表者 菊本 舞(岐阜経済大学経済学部准教授)
事業運営副代表 高木 博史(岐阜経済大学経済学部准教授)
大学担当事務局 岐阜経済大学総務課・地域連携推進センター(0584-77-3505)
学生と地域の協働推進者 小川 尚紀(岐阜経済大学総務課・地域連携推進センター)
学生代表 北村雄嗣(経済学部経済学科3年)
活動人数 約30名(2017年4月現在)

活動案内

岐阜経済大学まちなか共同研究室は、学生が主体となって様々な活動を行っています。また、地域と共生した大学づくりの実践例として、テレビや新聞の他、各種専門誌でも数多く紹介され、地域活性化を共通テーマとした人材育成の場にもなっています。


2017年5月 新メンバー歓迎会にて

主な活動内容

(1)TMN(土まるけネットワーク)プロジェクト…[農業、コミュニティビジネス、まちなか農園]

 マイスター倶楽部発足当初より展開している取り組みです。「農業」をテーマに、都市と農村との交流や世代間交流を軸に据え、コミュニティビジネス事業を展開しています。近年は中心市街地での「農生活」を提案する「まちなかプランター栽培」などを実施し、農業後継者育成のためのきっかけづくりをおこなっています。

自ら農作業
  • 自ら農作業
イベントで新鮮野菜を販売
  • イベントで新鮮野菜を販売

(2)まちなかツーリズムプロジェクト…[地域資源、体験型観光、学生コンシェルジュ]

 大垣の「まちなか観光」をテーマに活動しています。2015年度からは、特に「地域観光案内」や「まち歩き」に関する企画をおこなうことを見据えてプロジェクト名を「まちなかツーリズム」に変更しました。地域の事業所と学生とで連携しながら地域資源を生かした企画を展開しています。

奥美濃古地鶏を使った商品開発
  • 奥美濃古地鶏を使った商品開発
料亭四鳥とのコラボ弁当の開発
  • 料亭四鳥とのコラボ弁当の開発

(3)ソンニョ ド フトゥロ プロジェクト…[定住外国人の支援、小学生の学習支援、体験企画の展開]

 ソンニョドフトゥロとはポルトガル語で「将来の夢」という意味です。大垣市では、多くの日系外国人が暮らしています。こうした子ども達の多くは成長してからも日本で暮らしていくことが考えられ、日本人の子どもと変わらない学習の体制を整えることが必要です。子ども達が学習言語や学力などが原因で夢を諦めることがないよう、学生ができる学習支援をするのが目的です。子ども達に向けて、地域と連携しながら、学生ならではの社会体験企画を実施しています。

小学生の学習支援
  • 小学生の学習支援
料理企画で子どもたちと交流
  • 料理企画で子どもたちと交流

(4)カフェプロジェクト…[学生らしさ、大垣らしさ、商店街らしさ、を追及するカフェ]

 商店街で学生によるカフェ運営を目指す取り組みです。1週間空き店舗をレンタルできる「ちょいみせ」の仕組みを活かして、元気ハツラツ市でのカフェ出店を展開しています。学生らしさ、大垣らしさ、商店街らしさ、を追及したコミュニティカフェを目指しています。

学生カフェ出店
  • 学生カフェ出店
イケメン揃いです!
  • イケメン揃いです!

(5)マイスター倶楽部全体で取り組む活動~大垣市中心市街地活性化イベントへの関わり~

上記のテーマ・プロジェクトの他にも、大垣市中心市街地活性化イベントを中心に様々な活動に参加・企画・展開しています。

  1. 元気ハツラツ市(大垣市商店街振興組合連合会)の実施協力
  2. 新春もちつき大会を大垣駅前商店街との共同開催
  3. 大垣市観光協会主催の「たらい舟川下り」の船頭を務める
  4. 水都まつりにおける、大垣駅前商店街による「納涼レストラン」の開催協力
  5. 大垣警察署・防犯協会・防犯団体ともに防犯啓発活動を実施
  6. 毎年、年度末に活動報告会を開催 など
元気ハツラツ市
  • 元気ハツラツ市
もちつき大会
  • もちつき大会
たらい舟川下り船頭
  • たらい舟川下り船頭
防犯啓発活動
  • 防犯啓発活動
活動報告会で質疑応答
  • 活動報告会で質疑応答
まちづくりワークショップ
  • まちづくりワークショップ

マイスター倶楽部の活動サイクル

 マイスター倶楽部では、1年間を基本単位として次のようなサイクルでまちづくり活動を展開しています。それぞれの段階に応じて、様々なスキルや能力を高めるというねらいを持っています。

① 4月~6月 地域実態調査(現状把握を把握する)→ 地域調査力・仮説分析力をつける
② 6月頃 企画発表会(計画を立て、発表する)→ 企画書作成・計画立案力をつける
③ 6月~12月 企画実践(計画を実行する)→ グループでのマネジメント力をつける
④ 2月~3月 活動報告書作成と報告会(振り返る)→ 文章力・発表力・提案力をつける
①現状把握~地域調査
  • ①現状把握~地域調査
②企画立案~企画発表会
  • ②企画立案~企画発表会
③企画実践~活動の実践
  • ③企画実践~活動の実践
④振り返る~活動報告会
  • ④振り返る~活動報告会

マイスター倶楽部による「まちづくり提案」の数々

  1. 1998年度「全国初の商店街学割の店事業」(大垣駅前商店街との連携)
  2. 1999年度「奥いび湖周辺の地域づくりへの提言」(旧建設省中部地方整備局との連携)
  3. 2001年度「大垣市中心市街地のバリアフリー化に向けた改善提案のための調査研究」(第1回 岐阜県若者の政策提案促進事業に採択)
  4. 2002年度「人に優しいコミュニティ交通政策を通じたノーマライゼーションのまちづくりを目指して」(第2回 岐阜県若者の政策提案促進事業に採択)
  5. 2003年度「バリアフリー観光立県ぎふ創生のための福祉・観光複合型資源の開発と育成に向けた調査研究」(第3回 岐阜県若者の政策提案促進事業に採択)
  6. 2004年度「防犯活動による地域コミュニティの実態調査及び防犯ボランティア・ネットワーク構築に向けた調査研究」(第4回 岐阜県若者の政策提案促進事業に採択)
  7. 2004年度「学校と地域の協働によるバリアフリー教育モデル作成プロジェクトに関する産官学スクラム会議」(岐阜県福祉政策課との連携)
  8. 2006年度「地域資源を活用した「子どもの学び場創出」と観光資源化に関する調査研究」(第6回 岐阜県若者の政策提案促進事業に採択)
  9. 2006年度「スポーツの社会的役割の変容とコミュニティ再生の可能性についての調査研究」(第6回 岐阜県若者の政策提案促進事業に採択)
  10. 2007年度「大野町まちなか商店街活性化のための調査研究」(大野町商工会との連携)
  11. 2008年度「高山市集落実態調査」(高山市との連携)
  12. 2009年度「第1回 お助けサミットin高根」(高山市との連携)
  13. 2010年度「第2回 お助けサミットin荘川」(高山市との連携)
  14. 2011年度「“芭蕉元禄の地を広げるために私たちができること”」(第1回 ネットワーク大学コンソーシアム岐阜 学生による地域課題解決提案事業に採択)
  15. 2011年度「一人暮らし世帯に関する地域住民の意識と活動および地域政策に関する研究」(岐阜県環境生活政策課地域安全室 岐阜県絆再生による安全・安心な地域づくり調査研究事業)
  16. 2012年度「若者が訪れて地域を守り続ける坂本集落に向けて~交流・移住の基礎的条件に関する調査」(第2回 ネットワーク大学コンソーシアム岐阜 学生による地域課題解決提案事業に採択)
  17. 2012年度「まちづくり夢・未来会議『大学生によるまちづくり提案』」(大垣市行政改革推進室との連携)
  18. 2013年度「定住外国人の小学生の学習支援に関する調査と活動」(第3回 ネットワーク大学コンソーシアム岐阜 学生による地域課題解決提案事業に採択)
  19. 2013年度「板取地域と岐阜経済大学による域学連携事業」(岐阜県「域学連携」による地域活力創出モデル事業)
  20. 2014年度「大垣市における中心市街地活性化の条件を探る~協働の仕組みづくり向けて~」(第4回 ネットワーク大学コンソーシアム岐阜 学生による地域課題解決提案事業に採択)
  21. 2015年度「岐阜県西濃地域における地域観光コンシェルジュの可能性についての調査と実践」(第5回 ネットワーク大学コンソーシアム岐阜 学生による地域課題解決提案事業に採択)
  22. 2016年度「西濃地域茶業調査とお茶をコンセプトとした学生によるカフェ実践」(第6回 ネットワーク大学コンソーシアム岐阜 学生による地域課題解決提案事業に採択)

マイスター倶楽部が作成した「まちマップ」の数々

  1. 1998年度「大垣駅前商店街・夢マップ(PDF:6.08MB)」(大垣駅前商店街との連携)
  2. 1999年度「足もと・段差マップ」、「大垣市街なかトイレマップ」(バリアフリー研究グループ)
  3. 2000年度「大垣市まちバリマップ(まちなかバリアフリーマップ)(PDF:19.5MB)」(バリアフリー研究グループ)
  4. 2002年度「大垣市まちなか触図マップ(点字マップ)(PDF:5.33MB)」(バリアフリー研究グループ)
  5. 2006年度「すのまた魅力まんさいマップ(PDF:11.3MB)」(大垣市新市誕生記念交流事業 墨俣小学校との連携)
  6. 2011年度「大垣まちなかイクメンマップ(PDF:5.72MB)」(まちかど保育園グループ)
  7. 2011年度「荘川そばめぐり(PDF:8.75MB)」(地域“おおえん”お助け隊)
  8. 2011年度「白川町オススメの場所マップ“私がこのまちでオススメの場所”(PDF:3.93MB)」(白川町まちおこし推進事業補助 白川町活性化プロジェクト)
  9. 2013年度「大垣市中心市街地地域安全マップ(PDF:2.19MB)」(防犯コミュニティ研究グループ)

表彰・受賞等

  • 2001年04月「GIFUバリアフリー賞」(岐阜県)
  • 2003年05月「小さな親切運動実行賞」(社団法人「小さな親切」運動本部/西濃運輸)
  • 2003年11月「第2回バリアフリー化功労者表彰・内閣官房長官賞」(内閣府)
  • 2004年04月「第1回大垣市民大賞」(大垣市)
  • 2006年10月「地域安全活動表彰」(岐阜県防犯協会/岐阜県警警察本部)
  • 2009年04月「中部管区警察局長賞」(中部管区警察局長/中部防犯協会連絡協議会長)
  • 2013年09月「全国防犯功労団体表彰」(警察庁長官/公益財団法人全国防犯協会連合会)

以上2014年6月現在

コラム:「まちなか共同研究室」の3つの意味

ちなみに「まちなか共同研究室」という言葉には3つの意味が込められています。そこで、これらの意味を分解して考えてみたいと思います。

(1)“まちなか”の商店街にあります。

1つ目の意味は“まちなか”にあるということです。つまりキャンパスの中にあるのではなく大学の外にあるのです。
マイスター倶楽部は岐阜県大垣市の中心市街地、中心商店街の中に居を構えています。なお、大垣市は人口約16万3千人の地方都市です。「シャッター通り」という言葉に表されるように、大垣市においても1990年代後半ごろから中心市街地の空洞化の問題が顕著化していました。大垣市ではこの問題に歯止めをかけるべく、地域を挙げての活性化策に取り組んできたのです。その一環として実施された大垣市商工会議所の「空き店舗対策モデル事業」にて、マイスター倶楽部は1998年にスタートしました。その後、1度の引っ越しをおこない、2013年現在も商店街の空き店舗をお借りして、中心市街地活性化のためのさまざまな事業を展開しています。
“まちなか”にあることのメリットは、地域との関係を築きやすいということです。物理的に距離が近いのもあって地域の方々と気軽に接することができます。例えば「ちょっと打ち合わせがあって」というときも、「新しくこんな事業・企画をしたいのだけど…」という相談も直ぐにできます。よく「フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが大事」だと言われますが、そのためには物理的や心理的な距離が近いことが重要ではないでしょうか。こうした環境に身を置き、連携・協働のための基礎的条件が整っているのがマイスター倶楽部の特徴です。

(2)共同(協働)型の事業を展開しています。

2つ目に“共同(あるいは協働)”を特徴としているということです。マイスター倶楽部では、商店街、NPO、行政などと常に連携して事業を進めています。
また2006年にはこうした協働をより一層進めるために、大垣市、大垣商工会議所、大垣市商店街振興組合連合会、岐阜経済大学の4者による「中心市街地活性化のための四者協定」を結び、抽象的な協働論にとどまらない仕組みを整えています。
協働とは、互いに対等の立場に立ちながら、同じ目的に向かって、それぞれができることを進めていくことであると捉えていますが、現実は常にその説明の通りとはいかないことが多々あります。それでもそれを理想としながら、学生自身が関係性を築き、その中でものごとの関係性に対する気づきを得ながら事業を進めています。

(3)地域づくりの研究室です。

3つ目の特徴は“研究室”であるということです。どのような分野の研究であるかと言えば「地域づくり・まちづくり」に関する調査研究です。
もう少し具体的に言えば、学部学科の専門性を活かして、特に地域経済、地域政策、地域福祉などの観点を持って取り組んでいます。この地域づくり研究のポイントは、行政や地域の意向を踏まえつつも、独自の問題意識を持ちながら研究活動を展開することで、これまでになかった観点を踏まえた政策提案に結び付けている点です。
また研究と言っても座学のみでまとめるものはほとんどありません。フィールドワークや聞き取り調査はもちろんですが、学生自身の実践活動も政策提案の材料としています。実験的に実践活動を展開することで、その意義と課題を明らかにし、具体的なまちづくり提案に結び付けるように努めています。