お知らせ

留学生別科生が、大垣市の田中屋せんべい總本家を見学しました。( 2010年2月 4日 )



2月4日(金)本学留学生別科の別科生23名が、経営学部加藤由紀子准教授の引率のもと、大垣市の田中屋せんべい總本家を訪問し、せんべい作りの模様などを見学しました。以下は引率された加藤由紀子准教授からの当日の様子についての寄稿です。

岐阜経済大学の別科生が、日本文化理解研修の一環として、大垣市本町にある田中屋せんべい總本家を4日に見学した。時折雨が降る寒い日であったが、大垣駅周辺を絵入りで紹介している地図を片手に、オリエンテーリングの要領で、大垣駅から駅前商店街を通り、無事目的地に到着。お店に入ったとたんに、「みなさん、ようこそ。寒かったでしょう。」という笑顔いっぱいの歓迎を受け、手に取るとまだ温かいできたての味噌せんべいを味わった。

創業150年というお店の歴史や味噌せんべいの製法などを5代目の田中増吉さんの奥様美千代さん、6代目の裕介さんから聞き、初代から変わらぬ伝統の手焼きの技を職人さんに見せてもらった。また、日本一固いという四つ折りの味噌せんべいを思いっきりかじったり、焼いたばかりで柔らか状態のものだと簡単に噛み切れないことを体験したりと、普通はなかなかできない貴重な経験をした。この見学には当店の7代目という1歳の智晴ちゃんも登場して、笑いの絶えない楽しい時間になった。

日本語別科の学生は、全員日本の大学に入学することを目的に日本語を集中的に勉強する学生たち、いわゆる「受験生」なので、日本留学試験と各大学の入学試験を目指して緊張の毎日を送っている。しかも、ほとんどの学生はアルバイトをしながら勉強しているので、時間的にも経済的にもぎりぎりの生活をしている。そのため、このように大学の外に出かける時間は、学生にとって大きな楽しみである。また、このような時間は、教師にとっても新たな発見の機会となる。見学の途中で来店されたお客さんに「いらっしゃいませ!」と元気に声をかける学生、「おいしいのに、なぜ海外に支店を作らないのか」「手作りにどうしてこだわるのか」と授業では見せない熱心さで質問する学生、赤ちゃんを抱いて上手にあやす学生、煎餅の材料名を真剣に辞書で調べてみんなに教える学生、商品の展示の仕方を熱心にカメラに収める学生、地図を見て進む方向を適切に示す学生など、教室では見られない学生の姿を見ることができるからである。

奇しくも、4日は岐阜経済大学の入学試験の合否発表日であった。参加者の中には不合格を知って沈んだ様子をしていた学生もいたが、この研修が終わるころには、「もう1年別科でがんばって来年の入学を目指す。」と新たな決意を固めていた。こういう気持ちになれたのは、本当の温かいおもてなしと楽しい会話そして心からの笑いがあったおかげであろう。「お金より伝統を大切にするのが日本人だということが分かった。」「伝統を大切にする一方で、新しい商品を開発し続ける姿勢を持っているから、150年も店を守ることができたのだと思う。」など、様々な感想が学生から自然に出て来た。日本文化の理解は、このような日本人との心の交流があってはじめて深まるものであると思う。
                                                  【文責:加藤由紀子】

※田中屋せんべい総本家は、初代増吉の名を当主が代々襲名しており、現在の当主が五代目になります。